第一回目は美容外科に対する私の考えと、美容外科の基礎知識についてお話します。
第一回 美容外科基礎知識 ～美しさのための医療とは～
私は美容外科単純な医療行為ではなく、美しさを創造する過程、いわばアートだと思っています。
例えば、東京のある有名な美容整形外科では、患者さんたちはツンとした鼻、ぱっちり二重瞼とみんな同じ顔になって帰っていきます。そこには彼女たちの生き方も生活環境も表れていません。
それはただの「技術」であって「芸術」ではないのです。どんなに外見が綺麗な人でも、毎日憂鬱な気持ちでいると、その人本来が持つ美しさは伝わってきません。
皆さん誤解しているかもしれませんが美容形成というのは、ただ表面的な美を追いかけているだけではないんです。美容形成は顔を治すのではなく、実は心を治すこと。コンプレックスを解消して、より美しくなることはもちろん、日々の喜びを実感しより快適により前向きに生きるための治療ともいえるのです。ですから、私のクリニックでは手術前に十分なカウンセリングを行い、患者さんのコンプレックスを改善しながらも、よりナチュラルでその方らしい美しさを引き出す手術を施しています。
また、美容外科＝整形手術というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、それは誤解です。たるみなど、肌の機能改善を助けて若い状態に戻すアンチエイジングも美容外科です。
相談にいらっしゃる患者さんの多くはアンチエイジングの悩みを抱えている方がほとんど。どんな人でも避けて通れない老化という問題に、美容外科ではエステ店やマッサージ店の施術とは違う医療機関の「治療」として立ち向かうことができます。
より美しいスタイルで女性としての自信を取り戻すために
年とともに衰えた機能を回復させるのも美容外科のもう一つの重要な内容です。例えば上まぶたの下垂、上下まぶたの皮膚のたるみ、逆さまつげ、また二重にしたい人などこれらの方法には多少の違いがありますが、全般に「眼瞼形成術」を行うことで視野が開け、肩こりや頭痛まで治ることがあります。
これこそ機能的美容外科手術の代表であり、特にシニアや眼瞼下垂の方にはおすすめの治療法です。
また、ダイエットが成功しなかった方や出産経験者などプロポーションが気になる場合は「脂肪吸引法」が効果的です。脂肪細胞数は一生かわらず一度取ってしまった組織は増加しないのです。それにより、食事や運動などのバランスがスムーズになり効果が倍加するケースが多いようです。そのほか豊胸術、隆鼻などによって、より美しいスタイルで女性としての自信を取り戻すことができます。
これらの美容外科の治療は、広告でよく簡単で手軽な手術と思わせるものが多いのが現状です。しかし、必ず丁寧なカウンセリングで、納得できるまで計画を練り治療にあたることは美容外科手術の成功の基本です。簡単で手軽なものは無いと私は常々思っています。
患者様に知っていただきたいこと
患者様の基本的知識として、次のことを知って理解することも必要です。
美容外科といえばまず頭に浮かぶのは、若い女の子が目を大きくしたり、鼻を高くしたりまたは胸を大きくすることなどでしょう。しかし、それはいままでの美容外科です。美容外科の概念は時代と共に変化しています。若々しく生きるという意味では肉体的な健康より精神的な健康を求めることに重点がおかれつつあります。最近、アンチエイジングという言葉がよく美容外科の広告に見られるようになってきたのもその現れかもしれません。
では、アンチエイジングには具体的にどのような例があるのでしょう。次回のコラムでは老けて見えるポイントと、具体的な施術をご紹介します。
